walks
久しぶりに眼鏡を新調した。前の眼鏡が壊れたのは去年の11/5だから、実に半年ぶりの眼鏡になる。視力の改善を試みていたのでちょうどいいやと、すぐに眼鏡を作らずに半年裸眼で過ごしてみたのだった。結果として、いろいろ変化があったので書き留めておく。 …
サイゴン……クソ、俺はまだサイゴンにいる……。 俺はウィラードP。元アイドル、天海春香の暗殺を命じられたプロデューサーだ。 春香……俺がかつてプロデュースした女。 俺と春香の最後の仕事は、前線の兵士の慰問ツアーだった。 ジャングルの奥地にでかいステー…
いちめんのうのはな いちめんのうのはな いちめんのうのはな いちめんのうのはな いちめんのうのはな いちめんのうのはな いちめんのうのはな にんじんのせんぎり いちめんのうのはな いちめんのうのはな いちめんのうのはな いちめんのうのはな いちめんの…
いちめんのうなばら いちめんのうなばら いちめんのうなばら いちめんのうなばら いちめんのうなばら いちめんのうなばら いちめんのうなばら かすかなるよびごえ いちめんのうなばら いちめんのうなばら いちめんのうなばら いちめんのうなばら いちめんの…
父が仕事で東京に出てきたので呑みに行った。父は教育畑の人で、あと1年少しで定年を迎える。ここ何年か県の教育庁で仕事をしていたが、今年度からはまた学校に転属になった。 その席で聞かせてくれた話がいろいろ面白かったので忘れないうちに書いておこう…
かわいい娘だった。きらきらと輝く瞳、つんと生意気そうに尖った小ぶりな鼻。形のいい耳は薄桃色に上気して、つややかな唇からはきれいな歯列がのぞいていた。 服はまとわず、白い裸身をさらしたまま、上体だけを持ち上げて僕をじっと見つめている。 ひと月…
去年、米光一成さんがブログで「怪談575大会」という遊びをやってたときに考えたのを唐突に晒す。夏なので。 気がつくと 暗い座敷に ひとりきり 山道で 何か見てから 記憶がない ちょっと待て こんな女いつ乗せたっけ 狂うって ああいう感じなんだねえ 鼻を…
長らく「与太郎ハウス」として(一部の人に)ご愛顧いただきました、魚蹴と猫王子(id:emiri)のルームシェアリングですが、このたび部屋の契約満了を機に解消、分離独立の運びとなりましたことをお知らせいたします。ありがとうございました。 猫王子は実家…
昨日は父親が田舎から出てきてたので池袋で飯を食った。結婚の気配はないのかと訊かれて、さっぱりですなあと答える。 「どういうタイプが理想だとかないのか」 「うーん……頭のいい人?」 「頭のいいというのは、聡明ということか」 「うん(ていうか、よく…
夜、職場を出たら冷たい風に迎えられて驚いた。ただ寒いだけなら別に驚きはしない。風の匂いが、秋に感じるそれと同じだったからだ。もうすぐ冬になろうかという晩秋の冷たい風そのままである。ああ、いっそこのまま冬になればいいのに、もう一生ずっと冬だ…
朝の通勤電車の中、唐突に聞こえてきた声があった。ぃ゛ーあ゛ーい゛ーあ゛ーい゛ーぁ゛ーい゛ーあ゛ーい゛ーあ゛ーい゛ー不自然に潰れた独特の声色。座席に腰をかけて目を閉じた声の主は明らかに坊主であった。それだけ唸って坊主はまた黙った。耳にはイヤ…
東京ではもうぼたぼたとアスファルトに屍を晒していた油蝉が、秋田ではまだ今を盛りと鳴いている。鳴き続けていられるのもあとわずか。夏の終わりと手を携えて、南から死がやってくる。 そして、 はるかミクロネシアの海上で秋が産声を上げる。最大風速85ノ…
蓬髪の浮浪者が池袋駅のコンコースを歩いてくるのを私は見た。こころもち俯けた顔に柔和な微笑みを浮かべ、まるで旧友を出迎えるかのように両手を広げていた。上着の前は開け放たれて、Tシャツは鮮やかな赤。足取りは軽く、オフビートで、Nap Of the Earth…