ZOKU ISBN:4334924085

walkeri2004-01-15

 久々に読んだ森博嗣。謎の悪戯組織ZOKUと、彼らの行動を阻もうとする「科学技術禁欲研究所」TAIの攻防……というあらすじから予想した派手な話ではまったくありませんでした。お得意の意味なしギャグ系というか、コメディです。ミステリ風味も隠し味程度なので、期待すると拍子抜けすると思います。趣味的なものを散りばめた、終始まったりとしたお話で、著者の顔が見えやすい本といえるかも。作家としての森博嗣のファンなら楽しめるんじゃないかしら。
 森博嗣、昔は熱心な読者だったし、別に嫌いになったわけでもないんだけど、最近はご無沙汰です。Vシリーズの途中で立ち止まってしまった。ええと、六人の超音波科学者までかな。10冊中7冊目? あれ、意外と後半まで読んでたんだな。意外。「読めば面白いのがわかっている」「コンスタントに新刊が出続ける」という条件を満たす作家は段々読まなくなる傾向があるようです。そう言う意味では、僕の中で、森博嗣菊地秀行と同じカテゴリに属しています。
 でもVシリーズって残り3冊だったのか。読んじゃおうかな……。