移動都市
機動力を持った都市が荒廃した世界を疾駆し、鉄の顎で互いに喰らいあう弱肉強食の未来を舞台に展開される、ボーイ・ミーツ・ガールのジュブナイル。はっはっは。何が都市ダーウィニズムだ! このお茶目さん奴! とにこやかに罵倒しつつ楽しめました。都市が移動するネタは他の小説にもありますが、他の都市を喰い殺しにくるのはちょっと新しい。巨大なキャタピラを軋ませながら走るロンドンが、ちっぽけな炭鉱都市に襲い掛かるのを見て、ロンドン市民大興奮。そしてすごい勢いでスカベンジ。やっぱりイギリス人のSFは愉快だ喃。ヒロインは美少女どころかはっきり「醜い」と書かれるくらいのスカーフェイス・ツンデレだ。日本語版の表紙はカラフルで異世界観あふれておりますが、英国伝統の小汚いファンタジー絵で想像するのもまたよろしいですよ。
- 作者: フィリップ・リーヴ,安野玲
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/09/30
- メディア: 文庫
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