バトルスター ギャラクティカ-サイロンの攻撃-

 20年以上前のSFドラマ『宇宙空母ギャラクティカ』の、やったら評判のいいリメイク版。これはTVシリーズパイロット版です。
 かつてみずからが作ったロボット種族サイロンの攻撃によって、絶滅の縁に立たされた人類が、引退間際の老朽艦ギャラクティカを中心に、種族生存のための退却戦を開始する――という、なかなか渋いお話です。しょっぱなから負け戦なので欝展開も多発。宇宙でも惑星表面でも核が容赦なく使われるし、大勢の命のために少数を犠牲にせざるをえないシチュエーションも多くてぞくぞくします。
 SFファン的な見所は、派手なBGMを抑えた、ほとんど無音の宇宙戦闘。ドキュメンタリーを意識した、CGなのに手持ちっぽいカメラワークがユニークです。レーザーじゃなくてあくまで実体弾なのはこだわりでしょうか。
 いかにもアメリカの連続ドラマらしく、人間関係にも伏線がたくさん仕込まれていて飽きさせません。このへんのノウハウはお家芸ですね。敵のサイロンが、人間とほとんど区別がつかない人造人間をスパイとして送り込んで来ているので、裏切り者は誰かというサスペンスも後からだんだん効いてきます。
 隅々まで丁寧に作られた、非常に良質のSFドラマです。続きはソフト化されてませんが、iTunes Music Storeで購入できるようなので探してみようと思います。