グリュフォンの卵

グリュフォンの卵 (ハヤカワ文庫SF)

グリュフォンの卵 (ハヤカワ文庫SF)

 『大潮の道』が面白かったマイクル・スワンウィックの短編集。結構古い作品から最近のものまで、幅広く収録されています。
 この人の作風はなんだか肌に合います。バーカーなんかと同様、根っ子がファンタジーの人だからかな。
 ゼラズニィの影響は確かに感じますね。『犬はワンワンと言った』はイアン・マクドナルドっぽくもあり。ブラッドベリが書きそうな、ちょっとレトロなタイムパラドックスもの(『ティラノサウルススケルツォ』)を書いてると思えば、その一方でハードSFの『スロー・ライフ』なんてのも。
 イーガンやチャンみたいに最先端を走ってるタイプじゃないけど、その分芸達者で楽しいです。これもまた、真っ当なSF。広くお勧めします。