はてな夢日記:SF/塊魂

 盆地にある都市。二人の幼女が盆地を囲む坂を登って、大きなゴミ捨て場に遊びに行く。二人はそこで、捨てられたゴミやガラクタがひとりでに転がってくっつき合い、雪だるま式に大きくなっていく現象を見る。最初は面白がっていた二人だが、転がる塊の数とサイズが増すにしたがって、徐々に不安になってくる。一方、街の中では、ある男が安アパートに老人を訪ねる。老人はこの塊現象の原因を知っていると考えられている。しかし会合は不首尾に終わり、男はまもなく安アパートを出てくる。
 二人の幼女はゴミ捨て場を逃げ出し、都市を見下ろす盆地の縁に戻ってくる。そのとき、盆地を隔てた反対側の丘陵から轟音が響き渡る。二人が眼を凝らすと、見る見るうちに、丘陵の向こうから、青空に高く高くきのこ雲がわき上がるのが見える。あそこでも塊現象が起こっているのだ。
 カットが変わり、都市を斜め上から俯瞰で映した映像になる。燦々と日に照らされた住宅街をいくつもの巨大な塊が転がって、家や車を巻き込んでいる。あたりは異様に静かで、悲鳴も上がらず、BGMもない。ただ塊が転がるごろごろという低い音だけが鳴り響いている。