キル・ビルVol.2

walkeri2004-04-26

 変な映画! 続編で作風ががらっと変わる映画はたくさんありますが、監督が同じなのにここまでカラーが違うのは初めて見ました。作品内でも違うしな……。ギャグマンガで、他人の画風を真似することで笑いを誘う手法がありますけど、あれを映画でそのままやってしまったような感じ。いまさらだけど、タランティーノってほんとにアホなんだなあ。
 エル・ドライバーが今回すごい萌えキャラです。ネットで調べた知識を得々として語るのが爆笑ものでした。殺陣も結構見栄えがして、トレーラーハウスでの対決はこの映画で一番好きなアクションシーンです(まあ、他があの通りだからなあ)。もう一人強烈なのはパイ・メイで、あの白髭をさばく仕草は、映画館を出た後みんな真似すること請け合い。
 やー馬鹿らしくて面白かった。タランティーノは前々からキルビルサーガが作りたいとか言ってて、正直げんなりしてたんですが、Vol.2の後だとなんとなく続きが観たくなってるから不思議。観終わってから、Vol.3はきっとこうなるんだよな、と友達と話したら、その馬鹿話がそっくりそのまま、Vol.3の構想としてパンフに載ってたので呆然としました(ダリル・ハンナのコメントのところ)。タランティーノの頭の中は、ボンクラ映画ファンの妄想とまったく同じレベルにあるようです。さすがだ。
 ついでにいくつか。ユマ・サーマン*1は相変わらず殺陣がぬるいし、年齢的にも厳しいですが、いい役者だなあと思います。最後の対決に臨むときのスカート姿が魅力的。あと生き埋めシーンは怖かった! 臨場感たっぷりで身が竦みました。生き埋めという行為(?)には、多分ある種のエロさがあるんだろうけど、ここまで生き埋め描写に力を入れた映画は見たことがありません。つくづく変な映画です。

*1:ほんとは「ウマ」らしい。参照:http://www2.netdoor.com/~takano/film/2003/bill.html