おひっこし(その2)

 ある日曜日の朝。4人がビオフェルミンのアパートにたまっているところへ電話がかかってくる。「大家の牛頭やけど、ビオフェルミンはんでっか? おたくの部屋、今日で契約切れますよって、24時までに立ち退かんと違約金1億J$いただきますさかい、あんじょうよろしゅう」
 ズガーン。受話器を片手に呆然とするビオフェルミン。はっと気付いて振り返る。「み、みんな! ごめん、引っ越し手伝って!」
「引っ越しだそうです、艦長」「うむ、だがライダーとプリキュアを見てからだ」「アイアイサー」一人で潜水艦の艦長と部下のロールプレイをしながらテレビにかじりついて動かないコカコーラ(コカコーラは路上生活なのでテレビを持っていない)。引っ越しに使える時間はわずか5ワーク。このままでは最初のワークにコカコーラが何もしないことになってしまう。そんなのぶっちゃけありえない。ビオフェルミンはバットを振り上げる。


 ビオフェルミン「DD、バットでテレビを叩き壊します」

 DD「いいけど、それやると荷物が一つ増えることにするよ」

 ビオフェルミン「構いませんよ、どうせゴミだし、どうにでもできるでしょう。どうしようもなくなったらどこかに捨てていきますよ」
 これが悲劇の始まりだった。