さようなら、今まで魚をありがとう

さようなら、いままで魚をありがとう (河出文庫)

さようなら、いままで魚をありがとう (河出文庫)

 日本語で読める日をどれだけ待ち望んだことか……! 銀河ヒッチハイク・ガイドの4巻がようやく発売されました。銀河にあふれる数多の(ふざけた)驚異を目にしてきたアーサー・デントにも、だいぶ落ち着きが出てきて感慨深いです。正確を期すなら、「落ち着いた表情の在庫が増えた」というべきでしょうか。
 今回は驚くほどまっとうなラブストーリーで、読んでてくすぐったくもありつつも幸せな感じ。うん、いいよね。ラブは。作者のダグラス・アダムスが恋愛中に書かれただけあって、超ゆるんでる。「ガイド」の恋愛の項目に書かれたことなんか思い出しもしない。しかも書きながらなんか照れてるし。デレデレだな! アダムス!
 昔から、3巻以降はパッとしないという評判を聞いてて不安だったんだけど、そんなことなかったです。ちゃんと筋が通ってて読みやすいし、前作からの伏線がちゃんと回収されるし、小ネタも効いてるし。大変面白かったです。もうすぐ最終巻も出ることだし、楽しみ。