地球の静止する日

地球の静止する日―SF映画原作傑作選 (創元SF文庫)

地球の静止する日―SF映画原作傑作選 (創元SF文庫)

 SF映画原作小説アンソロジー。マイフェイバリットムービー『ミミック』の原作、『擬態』目当てに買いました。小品ながら描写が気色悪くて素敵。映画にはない二段構えのオチもよかった。映画のほうもまた見たいな……。いっそDVD買っちゃおうか。
 スタージョンの『殺人ブルドーザー』は、読んでて妙に可笑しかったです。B級モンスタームービーのチープさと、現場の経験が活かされたとおぼしい重機描写の異様な細かさが、足して2で割られていない感じ。単純な話の割りにはやけに長いのも変。
 『性本能と原爆戦』の原作『ロト』は、イヤなぶった切りエンディングが印象的な破滅SFで、意外な拾い物でした。子供の頃に読んだらトラウマになりそう。
 ハインラインの『月世界征服』は、むしろ50年代ハリウッドの雰囲気を伝えてくれる映画のメイキングの方が面白かったです。でも「目的地は月!(Destination moon !)」の台詞には単純に喜んでしまうのでした。