GenCon Socal 2005レポート(3日目)

 この日は日曜日。全日程中、いちばん人出が多いのはやっぱり土曜日のようです。アメリカ人も月曜は仕事だからというのも勿論あるでしょうけど、日曜は教会に行く人が多いからという理由もあるのかもしれません。
 この日はセグウェイにも乗ってみました。やー、面白いですよあれ。重心移動で前後に動く感覚が不思議でした。自転車よりはるかに安全な乗り物だと思います。慣れるの早いって誉めらりたエヘヘ。スケボーとか経験ある人は違和感なく乗りこなせるのかも。
 
 スチームパンク・ファンタジーのワールドセッティング"Iron Kingdoms"で知られるPrivateer Pressのブース。
 
 ブースの真ん中に立ってたディスプレイ。
 
 "Iron Kingdoms"ワールドを舞台にしたミニチュアゲーム"Warmachine"の"Cryx Warcaster Witch Coven & Egrogore"。これはエロカッコイイ。あとで買おう。
 
 "Iron Kingdoms"ワールドの魔獣使いを遊ぶ新作ミニチュアゲーム"Hordes"より、"Trollbloods"。
 
 これも"Hordes"より、ドルイドのウォーバンド"The Circle Orboros"。
 
 同じく"Hordes"の"The Skorne"。
 "Hordes"のミニチュアはどれも実物見たら欲しくなりました。クオリティ高いです。
 しかしメックナイツの強獣軍団といい、ワースブレイドの獣機といい、ロボットもののファンタジーゲームには動物要素が入ってきがちですね。僕はロボットにそれほど強い思い入れがないので、こっちの路線が充実してくれると嬉しかったりします。
 
 "Warmachine"のテレイン。高低差があるのが楽しそう。
 
 テレインの裏側。トロッコとかリフトとか、よくできてます。
 さて、GenConも最後なので、今日こそメタル塗りコーナーに行かなければなりません。太っ腹なことに、アンダーコート済みのミニチュアを無料で提供してくれるんですよ。RackhamやらHundred Kingdomsやら色々並んでいる中から自分の塗りたいミニチュアを選んで席につくと、あとは塗るだけ。用意された塗料はヴァレホとリーパーカラーの2種類です。四角く組んだテーブルを囲んで、老若男女が一心に筆を動かしつつ、時折互いに見せ合って、おーイカスねえとか、ここをもうちょっとこうしたら? とか言い合ってる空間。もう超落ち着く。全GenCon会場の中で、ここがもっともシンパシーを感じる場所でした。親子連れの参加者も多くて、小学校低学年と思しき小さい女の子が塗ってる後ろから、お母さんがアドバイスしたりしてました。
 僕が塗ったのはReaperの"Foo Dog"(狛犬、唐獅子)です。短時間でも塗りやすそうなのを選んだおかげで、3時間でほぼ完成。写真は返ってきてから撮ったものです。
 
 
 
 体色を青で塗ってたら、隣に座った太った白人男性が話しかけてきて曰く、「それ俺も昨日塗ったよ。俺は赤にしたんだけど。いいミニチュアだよねー」……とか書くといかにもヒアリングできてるようですが、半分以上えぬえぬさんに通訳してもらいました。でもほんとに塗ってて楽しい、いいミニチュアです。色違いでいくつか並べても見栄えがしそう。
 ちなみに今回、ヴァレホカラーは初体験。評判どおりの使いやすさで感動しました。リーパーカラーの方は、正直シタデルのパクリぐらいにしか思ってなかったんですが、意外にユニークな色が多くて面白いです。ホワイトレザーとかいかにも使いやすそうで、欲しくなりました。
 メタルも塗り終わって思い残すところもなく、一旦ホテルへ戻ります。
 
 これはホテルの部屋に入ってきたバッタ。近づいても全然逃げなかったのできれいに撮れました。ふてぶてしい野郎です。
 しばらく休憩してから、イエローページに載っていた市内のホビーショップへ。まあここが、もう、素晴らしい場所でして。子供時代に夢で見たメタルフィギュア専門店がイデア界からこっちに出張してきたような品揃えで、一歩入店するやしばし陶然。うわーヤッベエどうしようこれうふふとうわ言をつぶやきつつふらふらと歩き出しますと、いきなり落とされる店の電気。日曜は17:00閉店……ってなんじゃそりゃあああ。
 いかにも探せば掘り出し物が出てきそうな雰囲気なんだけど、もう店内の照明が絞られていて探すに探せない。しょんぼりしつつも、このような店が実在することを確認できただけでも収穫だったと自分に言い聞かせて外に出るのでした。ラララ、あんちゃん、くやしいのう
 その後、巨大なリブステーキとロブスターなど食べに行ってから一旦ホテルへ戻り、近藤さんと河嶋さんは部屋に帰って、えぬえぬさんと僕は近場のスーパーマーケットへ。しばらくぶらついてからホテルに帰り、一階のロビーを歩いていると、ぷあー、ぷあーと耳慣れない音が。警備員の一団が急ぎ足で歩いていくのを見送りつつ、もしかして今のは……と思っていると案の定。通りすがりのインド系のボーイさんが、「火災警報が出たからみんな外に出ろって言ってるよ」と。
 ホテルの表は避難した泊り客でいっぱいです。しかし見上げた建物からは火が出ている様子もなく、誤報じゃないのかなあとか言いつつ突っ立っていると、サイレンを鳴らして消防車とパトカーが。
 
 しばらく待っていると、ホテルの人がペットボトルの水を配り始めて、どうも長くなりそうな気配。お風呂の途中で避難してきたらしいバスローブ姿の人、パジャマに上着を羽織っただけの人も増えてきました。いくら11月のカリフォルニアが暖かいとはいえ、夜は冷えます。道を挟んだ隣のヒルトンのロビーに避難する人も出てきて、こっちもその例に倣うことにしました。
 
 道の反対側からマリオットを見るの図。
 ヒルトンのロビーで近藤さんと河嶋さんに再開。12階から非常階段で下まで降りてきたとのことでした。誤報と思いきや、実際に焦げ臭かったそうで、どうも本当に火事だったらしいということをこの時点で知ります。
 警報からおよそ1時間経ち、部屋に戻ってもいいとお達しが出たので、宿泊客はぞろぞろとマリオットへ。12階の部屋に帰り着くと、なるほど確かにあたり一面焦げ臭い。また警報鳴ったらめんどくさいなあ、とか冗談半分で言ってたら、まもなく本当にもう一度警報が鳴り出しました。
 避難勧告は出ていなかったものの、自主的に部屋を出て非常階段へ。途中黄色い防火服にヘルメットの消防士が数人、階段を駆け上がっていくのとすれ違いました。外に出ると、今度は先ほどの教訓を生かして毛布を持ってきた人が多く、寒いなか毛布に包まって膝枕で寝ちゃう人までいる始末。
 
 一度去った消防車が戻ってきて、消火栓にホースをつないだところ。
 今度はそれほど待つことなく戻ってもいいと言われたので、非常階段で上へ。前を歩いていた年配の女性とその娘さんらしい2人が、「いいワークアウトね、夕食がすっかり消化されちゃったわ」みたいなことを言って笑ってました。
 11階が火元という噂を聞いたので、途中で非常階段を出て11階の廊下へ。焦げ臭さはひときわ強く、床の絨毯は水を吸ってぐじゅぐじゅです。
 
 火元。多分リネン室か何か。階段脇の消火器のガラスが割れて、空になったボンベが転がっており、生々しい感じでした。
 ちなみに火事の原因は放火でした。なんと11階の現場を含めて全部で5箇所。容疑者は監視カメラに捉えられており、逮捕されて取調べ中とのことです(参照→Arson suspected at Anaheim Marriott(キャッシュ。広告で音が出る可能性あり))。
 泊まっていたすぐ下の階から火が出たわけで、一歩間違えたら洒落にならない事態になっていた可能性もあります。運がよかったといえるのではないでしょうか。ホテルのスタッフの対応も整然としていて感嘆しました。結果的にマリオットは株を上げたんじゃないかな。
 アメリカ人が災害時にどう振る舞うのか、意図せずしてこの目で見られたのも、終わってみれば収穫でした。全体的に非常に落ち着いており、見た限りパニックはまったくありませんでした。ただ、やっぱり一部に我慢できない人はいたようで、GenConフォーラムのこの事件を扱ったトピックには、「夜中に2人の疲れた男がロビーのバーで殴り合いの喧嘩をして、片方が相手の鼻を折った」という証言が書き込まれています。
 
 
 次の日は朝早く起きて空港へ出発。写真はカリフォルニアの夜明けの空です。
 行きも帰りもシンガポール航空でしたが、サービスがよくて素晴らしかったです。帰りは空いてたので、横になって眠れて助かりました。10時間以上飛んで成田に到着。バス、タクシーと乗り継いで、最終的には家まで送っていただいてしまいました。
 ああ楽しかった。怪我もなく無事に帰れて何よりです。というところで、GenCon Socal 2005レポートもおしまいでございます。お疲れ様でした、有難うございました。