星々のクーリエ

星々のクーリエ (ソノラマノベルス)

星々のクーリエ (ソノラマノベルス)

 『蒼穹の槍』の陰山琢磨が朝日ソノラマから出したSFアクション。今からおよそ200年後、人類が恒星間宇宙に進出している設定ですが、物語の大部分は、軌道エレベータのアンカーポイントとなったモルディブのガン島を舞台にしています。主人公は戦術AIのサポートを受けた独立国連軍の遊撃戦闘員で、19歳の日本人女性。直球でポスト攻殻という感じですが、素子に比べてだいぶ当たりはやわらかい。テクノロジーを駆使した戦闘描写にかなり力が入っていて、準軍事ものといってもいいでしょう。面白いです。しかし中のイラストは明らかに流して描いててちょっと……。半端な挿絵は要らないから、その分のギャラを表紙絵にまわしてクオリティ上げてもらえばいいのに、と思ってしまいます。
 速水さんが読めと言った理由がよくわかったよ。わたくし、よく似た構造の話を書いたことがございます。ええ、800枚ほど。この本読んでて、なんだか懐かしくなってしまいました。