サヴェッジ・サイエンス

 宣伝です。友達の鴻さんこと、『墜落世界』で(一部には)おなじみの齋藤高吉くんが新しいゲームを出したので、よろしければお手にとってごらんくださいー(売り子口調)。ヘレティック(異端)と呼ばれるマッドサイエンティスト集団に、モロー博士の実験室から生み出された第三世代セリアントロープ(獣人)の結社が戦いを挑む、エスピオナージ風味のTRPGだよ。たちまち手が飛び脚が飛ぶブラッディな戦闘と、しょせん畜生の浅ましさを存分に発揮できるホノボノ感が売り。連中、動物から改造された後天的な獣人なので、しばしば野生の欲求に屈してしまうことがあるのですね。こう、ブラックスーツでビシッと決めたコワモテのエージェントが、おもむろに路上でズボンを下ろして片足を上げて、電信柱におしっこをはじめたりするですよ。どうですほのぼのするでしょう。
 敵のヘレティックを率いるのは歴史上の偉人ばかりで、たとえば狂ったカレル・チャペックが巨大ロボット軍団で街を蹂躙したり、狂ったメアリ・シェリーが都市にゾンビ化ガスを撒いたり、ネモ船長の孫娘がスクール水着で地上侵略したり。ああ、舞台は現代ですけど。
 個人的に著者の文体が好きなので、たくさん読めて嬉しいです。地の文が面白いルールブックだいすっき。この調子でいろいろ出していただきたい! 期待しております。