海戦(伏字復元版)  

 "Ambient"がなかなか終わらず他の本にかかれない昨今ですが、これは本屋で立ち読みを始めたら非常に面白かったので特筆。第一次ソロモン海戦に報道班員として従軍した著者の記録です。ここで描かれる海上の夜戦が恐ろしく臨場感があって美しい。旗艦の上で戦闘を記録しようとする著者の心理状態や、負傷者にあふれた戦闘後の描写もかなり興味深いものでした。著者自身負傷してるんですが、何よりも辛かったのは、自分が乗っている艦の主砲の発射音だったそうです。全身を叩きつける衝撃波が、思考力、聴覚、皮膚感覚を根こそぎもぎ取っていくのだとか。何度も何度も続く発射の衝撃に曝されて、戦闘後にシェルショックに似た状態に陥っているあたりリアリティがありました。
 立ち読みだけど、これは買ってもよかったな。憶えとこう。