極限推理コロシアム ISBN:4061823663

walkeri2004-04-14

 「kodomoso」で『クリムゾンの迷宮』と並べて紹介されていたので興味を持って読んでみました。メフィスト賞受賞作読むの久しぶり。こりゃアドベンチャーゲームだなあ、というかそのままゲーム化できそうです。ボードゲームでもいいかも。『クルー』みたいなのを並行させて遊ぶとか。人数要るけどね。
 確かにリーダビリティは高くてスラスラ読めました。けど、登場人物がそろってお行儀がいいんですよね。いや、ないものねだりなのはわかってるねんで。ルールに従った殺人/推理ゲームを書いてるんだから、しょうがなくはあるんだけど、誰もそのルールを破ろうとは試みないのがフラストレーション。「裏技」っぽいのはあるけど、ゲームの枠組みを超えるものではないし。こういう理不尽で一方的なルールに従えと言われたら、なんとかして裏をかこうと思うけどなあ。特に途中にダンジョンがあるのにそっちの方向が突き詰められないのが超不満だよ! あそこで一面作ってほしかったよ!(目が異常)ほら、『クリムゾンの迷宮』はルールからの逸脱についてちゃんと触れてたじゃない。それと比較すると、うーん、というのがあります。ゲームはゲームでいいし、理不尽な状況もいいんだけど、プレイヤーには「このゲームつまんなーい*1」という機会があってほしかった、と思うのです(たとえその結果、デスペナルティを食らうとしても)。あ、書いてるうちに何が不満かわかってきたぞ。面白そうなアイデアも思いついたのでこの話はこれまでだ。
 調べてみたら、著者は『ニコリ』などで活躍しているパズル作家の方であるとか。なるほど、ゲーマーじゃなくてパズラーなのか! そういわれて見ると非常に納得できる本であります。

*1:僕の周りではゲームで負けたり思うようにいかなかったときなどにこう言います。ゲームに責任を転嫁するわかりやすい負け惜しみ台詞……なんだけど、初めての人と遊ぶときに言っちゃいけない、絶対誤解されるから(笑)