ぺとぺとさん ISBN:4757717474

walkeri2004-02-23

 作者の木村航という人が、10年以上前から縁のある(というか恩のある)人と同一人物だと知ったのは最近のことです。かなりびっくりもしましたが、タイミングよく新刊が出てたので読んでみました。
 人間と妖怪が同居している世界の、中学校でのお話。タイトルにもなっている「ぺとぺとさん」(半濁音)こと藤村鳩子(表紙の女の子)は、べとべとさん(濁音)の子孫の妖怪で、触った人と「ぺとっ」とくっついてしまう能力を持っています。当然、主人公とぺとったりしてなんやかんやと大騒ぎ。
 なんというか殺気を感じます。全力で読者を萌え殺そうとしていますこの人。おそろしい……。ここまでやらないとだめなのか……。しかしおれ触覚で描写されると弱いなあ。わかりやすい……。
 文面は擬音が多く、一見するといかにもヤングアダルト然としていますが、読んでてまったく気になりませんでした。もともと筆力あるからなあ。後半の展開なんかもけっこうごちゃごちゃしてますが、勢いに乗って最後まで一直線。うーん。面白かった。イラストともあいまって、かわいさ爆発の一冊でした。
 そういや、『先輩とぼく』のときにも思ったんだけど、最近のヤングアダルト本は口絵で本編開始前のプロローグを描くのが流行ってるのかしら。