東京都健全育成条例改定に反対する市民有志Webサイト

 http://www.savemanga.com/
 うーん。こちらのサイトは反戦デモとかにも関わってるみたいだし*1、必ずしも主張に賛同し切れないんですが、この問題については何かしらリアクションしたほうがいいのか。署名ってのも影響力あるのかどうかわかんないな……。条例改訂派のメンバーが密室内で改訂手続きを済まそうとしているなら、そこに外から強力な打撃を与える方法を考える必要があるはずだけど、反対派としての戦略がよく見えない。
 個人的なスタンスを表明しておくと、優れた創作物は規制の中から生まれる、ということは前提として、一握りの人間の倫理観や価値観に基づいて表現の幅を狭めようとする動きには、やはり反対と言わざるを得ない。下世話なことを言うと、「有害」とされるような作品を描いている人々の食い扶持を、このような一方的な手段で奪うべきではない。優れた作品を描いている人が、ちゃんと儲けられていい暮らしができる世の中であってほしい。
 だって掘骨砕三のまんがとか、真っ先に弾圧されそうだもんな。おれは掘骨まんががもっと読みたいんじゃー。あそこまで行くと有害とかいう問題じゃなくてなにか別のものだけど、規制する側にはそんな区別をする気はないだろう。
 とりあえず同サイトのFAQをリンクしておきます。ここによると、2万人分の署名が効果を発揮したということで、本当なら興味深い話であります。
 関連して松文館裁判についてですが、「裏モノ日記」の1月14日に「明らかに法廷戦術のミスであった」という指摘があってナルホドと思いました。この辺にも、反戦デモをよしとするメンタリティと共通するものを感じて不安になるのよね。

*1:反戦どうこうではなく、意見表明の手段としてデモという旧態依然たる手段を選択していることにまったく賛成できない。イラク戦争にまつわる一連の動きの中で興味深かったのは、世界中であれだけの規模の反戦デモが長期間行なわれていたにも関わらず、イラク戦争が止められなかったということだった。国際的なパワーポリティクスの荒波に対しては、デモという手段はまったく無意味なのだ(戦争の正当性や道義性はまた別の話。また、国内や地方に限定された問題に対してデモが効果をもつかどうかも別個に観察する必要があるだろう)。それを理解せずにだらだらと反戦デモを続けるならば、自己満足と非難されても仕方あるまい。