マンチはルールブックをどう読むか

月曜日の夜にイケダ夫妻王子と飯を食ったとき、マンチとして名高いイケダさんが、マンチはルールブックをどう読むかの勘所を伝授してくれた。強いキャラクターを作るのにもコツがあって、ルールブックの中でが眠っていそうなポイントは、何冊も読んでいるとだいたい見当がついてくるのだそうだ。
具体的に言うと……
1:掛け算を探す
これはわかりやすい。確かに掛け算ほど危険なものはない。単体だけならまだいいかもしれないが、二つ、三つと重なるとたちまち危険度が膨れ上がる。以前同人誌で、World of Darkness最強キャラを作るという記事があって、掛け算を繰り返すうちにアルファケンタウリまで自転車で往復する超生命体(余命は数日)が出来上がっていたのを思い出す。
2:萌え設定を探す
デザイナーも人の子であり、自分がかっこいいと思う部分ほど作りこみがちだ。はデザイナーの萌えが傾注されている部分に眠っている。D&D3Eを思い起こせばよくわかるだろう。いろんな人が作った(つまり、たくさんの悪いファンタジーが投影された)上級クラスはの塊だ。あのゲームで基本クラスから転職しないのは愚の骨頂である。
3:萌えない部分を探す
萌えとは対照的な、デザイナー的にはどうでもいいんだけどデータは揃えておかなきゃならない部分にもは秘められている。例えば戦闘には一見関係ない一般技能リストなんかが怪しい。恰好悪いのでやりたがる人が少ないだろうとデザイナーが踏んだ部分を探すのも効果的だ。例えばWerewolf: The Apocalypse第二版では《スカンクの放屁》(通称おならプー)というGift(魔法みたいなもの)が恐ろしい強さを誇るし、戦闘キャラの生命線であるRage(怒り。攻撃回数を増やし体力を回復する、最も重要な数値)を最も効果的に削るのは、平和主義という設定のChildren of Gaia部族のGiftであった。一見ぱっとしない部分こそ危険なのだ。
4:暗い部分を探す
洋ゲーのルールブックを読むときに最も効率がいいのはdarkという単語を探すことだ。なるほど思い当たる節が多すぎる。Dark Elf、Dark Tek、 Dark Side、Dark Thaumaturgy、Book of Vile Darkness! プレイヤーキャラクターの敵が使う能力は必然的に大きなであり、奪うことができれば素晴らしい未来が待っている!
ヌルゲーマーである魚蹴さんはいたく感心してしまった。同じものを読んでいても、実はまったく違う目で見ているのが驚異だ。マンチじゃないよ、優秀なデバッガと呼んでくれとふざけて言っていたけれど、あながち間違ってないよね。マンチはかっこいい。