本の雑誌 2003年6月号

SF者特集号。「SF者」の特集であって「SF特集」じゃないのが味噌で、要するに作品じゃなくてファンの人柄が主題。SFの人は結婚しないとか、SFの人は話に前置きがないとか、いわゆる痛いオタクの生態みたいな、というかオタクをSF者に置き換えただけでコンパチだ。水玉蛍之丞はこういうの書くとほんと上手いね。随分とターゲットが狭い特集で、SF者以外が読んで面白いのかはなはだ疑問。よくこんな企画通したなあ。
読んで思ったのは、だいぶ昔『別冊宝島79 世紀末キッズのためのSFワンダーランド』*1で読んだSFファン像と全然変わってないな、ということ。いま30代〜40代くらいのSFの人は、きっとこういう世界に生きてきたんだろう。20代後半の自分とは明らかに断絶がある。だって、ここで描かれるような「SFの人」とはこれまで遭ったことないもの*2。自分に限った話ではなく、SFスキーは身の回りにたくさんいて、いわゆるオタクには違いないけど、「SFの人」とは明らかに違う生活をしている。
なんというか、青臭い少年少女の心をもってるはずのSFファンが、何十年も代わり映えがないのはどうなのよと思わざるをえない。なんかこう、いろいろ変革したりしないのか。昔のSFにはセンスオブワンダーを感じるけど、「SFの人」には感じない。
我々若者は同じ轍を踏んではならない!
Don't trust over thirty SciFi Fans !
You have to realize that someday you will die !
Until you know that, you're useless !
ワガルガッ!
……ワガンナイカ
仕方がない、力ずくで徴兵する。Go London !
 
 
 

*1:この本でSFをジャンルとして認識した。『トラブラー』という付録ゲームに興味を引かれて買ったと記憶している

*2:実は遭ってて、こちらが避けただけという可能性はある