はてな夢日記:憑き物落とし

walkeri2004-02-20

 現代の夜の東京に、『巷説百物語』に出てくる御行一味のような集団がいる。彼らは憑き物落としを仕掛けることにする。ターゲットは、ネットでのデータ転送を阻もうとする音楽業界である。憑き物落としは金属棒と笙を使って行なうようだが、具体的な方法は示されない。

鍵のかかった部屋 ISBN:4560070989

 初めて読んだポール・オースター。読んでるとジョナサン・キャロルみたいにいやーな予感に襲われて仕方がなかったんだけど、あそこまで救いのない展開じゃなくてほっとした。ミステリっぽいけど結末はそうじゃない。謎の解決も、伏線の回収も目指してはいない。すごく個人的な小説という気がした。わかったようなわからないような、ということはつまりわかってないんだけど、リーダビリティは高くて、引き込まれて一気に読んでしまった。「海外小説」っていう大雑把なくくりがあるけど、そうとしか言えないような不思議な本だった。