はてな夢日記:山中の遭遇

walkeri2005-05-02

 田舎のあぜ道を歩いている。水が張られた田んぼの間を、道はうねうねと曲がりくねりながら続いている。山がすぐそばまで迫っており、木々の緑がみずみずしく目に映る。青い空を横切って鳥が飛んでゆく。
 そのうち、ふと気がつくと道を離れ、山に踏み込んでいる。膝くらいの高さまで伸びた、葉の柔らかい針葉樹の若木を掻き分けるようにして斜面を登る。尾根のてっぺんまで辿りつき、その先を見て愕然とする。行く手には、木々が根こそぎ伐採された土地が、乾いた土の色をむき出しにして、見渡す限り広がっているではないか。今までの緑豊かな風景との落差が衝撃的で、しばしそこに立ちすくむ。と、足元に煙草の吸殻が落ちているのに気づく。こんな人里離れた山の中に吸殻? いぶかしく思いながらよく見ると、吸殻はなにか赤くてべちょべちょしたジャムのようなものにまみれている。
 そのとき、話し声が聞こえたので顔を上げると、隣の尾根に男が立っている。筋骨隆々で背が高く、タンガのような布切れしか身につけていない。その全身は、吸殻と同じ赤くべちょべちょしたものにまみれている。男はむこうを向いて携帯電話で話している。どうやら誰かと待ち合わせしていて、来るのが遅いと文句を言っているようだ。
 やばい。紛うことなき変態だ。というか、このような荒れ果てた地に一人でいるとは、人間かどうかも怪しい。しかももう一人来るのか。とにかくこの場を離れようと後ずさりしたとたん、男がぱっとこちらを振り向いた。男は電話の相手に叫ぶ。「あっ。馬鹿。お前が遅いから、もう来ちゃったじゃねえか」
 ま、待ち伏せされてた!? 震え上がって、脱兎のごとく逃げ出す。「こら、待て」といいながら男も向こうの尾根を駆け下りて追ってくる。逃げている途中で目が覚めた。
 荒れ果てた山中に一人仁王立ちしている男の姿が禍々しい、色々な意味で怖い夢だった。