日本の歯科医療はアメリカより遅れている?

 「自動ニュース作成」経由で見た「日米比較:歯科事情」というページ。「日本の歯科医療は、アメリカより、かなり(20年?30年?もっと?)遅れている」という話ですが、本当かしらと思って調べたところ、似たタイトルのこんなページを発見。

虫歯治療においては、アメリカの歯科医に「これはとっても上手に出来ているね、一体どこでやってもらったの?」と必ず聞かれるの。「日本で治療してもらった。」と答えると「日本の治療はとっても綺麗だね。」と言われる。日本での虫歯治療はとても上手だ。

 あれ? さっきと話が逆だ。
 でも、インプラント治療をやってる歯科医さんのコラムではこう。

驚いたのが日本の歯科医療はアメリカに10年遅れているという事実。

 んー。どっちが嘘をついてるとも思えないけど、正反対の話があるのは変ですな。
 もうちょっと調べてみると、大手小町に、アメリカの歯科医で日本の治療の程度の低さに呆れられたという相談者が見つかった。→「大手小町都内で信用出来る歯科医は?(保険適用でなくてもOKです)
 そこに日本の技術が遅れているわけではない、というレスが。

日本と北米で歯医者をしています。誤解をといておきたいのですが、日本での治療がよく批判されるのは事実ですが、それはかならずしも日本の歯医者の腕が悪かったり歯科医療が遅れているからではありません。
むしろ日本人の方が器用ですから腕はじょうずです。ただ単純に日本の歯科医療保険が安すぎるから時間もお金もかけた治療ができないのです。新しい材料は保険適応にならず、使えないのです。

 米人医師に日本の治療で下手なケースがあるのは何故?と質問され、日本の保険医療制度について話したところ、あまりの治療費の安さ(特に歯科医師の技術料の安さ)に絶句、納得していました。
一日に多くの患者を診るなら自分もアメリカ並みの治療は無理、とむしろ同情されてしまい、複雑な気持ちでした・・・。
アメリカでは高い医療費を払える人の口腔内は完璧だけれど,そうでない人はボロボロだそうで、医療費が安く気軽に治療に行ける日本のほうが平均的にはいいのかも、と言っていました。

 なるほどー。技術的に遅れているわけではなく、医療制度に問題があるみたいです。あと、最初に挙げた問題提起のページを読むと、アメリカでは虫歯にならないための予防に力を入れてるみたいで、その辺の感覚も日本とは違いそうですね。