天気のいい日曜日

walkeri2004-10-24

 昼過ぎに家を出て近所の床屋に行ったら、たくさん並んでて順番待ちの椅子にすら座れない。しょうがないので後回しにして、池袋に出て時間を潰すことにした。
 行きの電車は混んでいて、目の前の座席には体格のいい壮年の白人女性が座っていた。途中の駅で赤ん坊を抱いた男性が乗ってきて、隣に立った。女性は赤ん坊の声に気付いて顔を上げると、素早く、なんの躊躇いもなく、男性に席を譲った。気負いとか、自己満足とか、そういうものの入る隙間がない、とても自然な立ち居振舞いだったので、少なからず感銘を受けた。日本の文化の中ではああいう振る舞いを身に付けるのは難しいだろうと思う。席を譲るべきだという判断はできても、また実際に席を譲ったとしても、あれほど自然な、自分の行動への自信に裏付けられた動作にはならないだろう。とか考えつつ、デューンの3巻読みながら池袋に着いた。デューン超おもしれえナ!(バギー語)
 昨日も天気がよかったので、久々にメタルフィギュアを塗ってみようと思いついて塗料を確認してみたら、Chaos Black、Skull White、Blood Redが見事に固まっており、さすがに黒白赤がない状態での塗装は厳しいので、池袋YSで購入。ついでに買いそびれていた『不浄なる暗黒の書』も買ってしまった。
 『不浄なる暗黒の書』はD&D3Eのサプリメントで、悪を扱った本なのだが、巻末に書いてある言葉が面白い。「本書は、悪を賛美しようとした本ではない。悪を定義し、定量化しようと試みた本である」。悪の定量化! こんなことを考えるのは、社会学者かゲームデザイナーぐらいだろう。
 店を出てサンマルクカフェでちょっと書き物をしてから(外に出ないと筆がはかどらないのは問題だ)、ジュンク堂を上から下まで見て回った。何も買わないつもりだったのに店を出たときにはハードカバーの単行本を三冊ぶら下げていた。古川日出男の新刊が出ていたのも知らなかったが、絶版と諦めていた「ものと人間の文化史」シリーズのある一冊が、ちょうど重版されて棚に入っていたのが計算外だった。3500円かあ、高っけえなあ。もう一冊は『肉単』。『骨単』は見つからなかった。
 他にも買わなければならない本はみな高いので往生する。山本タカトの画集が2冊出ているのは早めに買っておきたいし、ステープルドン2冊も未だに買えてない。『ソラリス』の新訳はかなり面白いという話だし、奇想コレクションからはベスターの短編集まで出ている!
 もう1冊目にとまったのが『アナル全書』という豪気な書名の本で、前書きに「ドクター・アナルと呼ばれるようになることは、断じて私の望みではなかった」とか書いてあるのを読んで噴き出しそうになった。そりゃそうだろう(笑)。高かったので買うのはやめたけど、中身も結構面白そうだったので、備忘録代わりにここに書いておく。
 ところで、先に書いた赤ん坊はそばにいるとかなりしょんべん臭かったのだが、帰りの電車でも同じ臭いがして、もしや臭いのは自分ではないのかと一瞬不安になった。漏らしてなくてよかった。