トロイ

 面白かったです。アガメムノン、アキレス、オデュッセウスと、有名人がもりもり出てくるのが懐かしくも新鮮な感じ。そうか、神話なんだよな。とはいえ神々が出てくるわけではなく、ファンタジー分はまったくありません。ケンタウロスとか出てくれたらなあ、とか思いつつも、まあこれはこれでよし。戦闘が手を変え品を変えで飽きさせないんですが、全体的に武器の重さが感じられてよかったです。特に投げ槍と戦棍。盾でガンガン殴ってたのもいいですね。一番わくわくしたのはアキレスVSヘクトルの対決でした。剣と盾と槍、それぞれの特性を生かした殺陣で素晴らしかった。
 この映画、集団戦なんだけど、極力CG使ってないように見えます。MASSIVEで作られた指輪の戦争よりさらに無骨で、前線のぶつかり合いがはっきり見えるのが面白い。槍と大盾構えてるところに、文字通り飛び込んでいくんですよ。オリャーって感じで。局所的に派手に血が飛び散ってたけど、あれは血袋かなあ。
 題材が題材だけに、どういう結末になるかはなんとなく知ってるわけで、ダレる部分もありますが、最後のアキレスのシーンは、収まるべきところに収まったという気持ちよさがありました。倒れてるところにギリシャ兵が集まってきて、カメラが引いていくところも、ああ、これが神話の生まれる瞬間なんだな、とか思って。原作(イリアス)読んでみたくなりましたよ。けっこう退屈らしいですけど(笑)
 この映画で悔しいのは、「史上最大の「愛」のための戦い」という寝ぼけたコピーが嘘じゃないということか。というかなにもかもパリスが悪いのに、どの面下げて愛とか言うだバガー。