サタスペシナリオ『大麻で癌が治る』

 id:aorenjarさんが東京に来るということでお出迎え&サタスペで迎撃の構え。面子はかくの如し。

  • 加藤密林小人
     ♂、裏方。大阪近海に位置する絶海の孤島(……?)「ドクロ島」に墜ちた飛行機に乗っていた加藤家の男の子が、密林小人に拾われて育ち、今では立派な妖怪に。いつどこにいても(たとえば飛行機の中でも)草むらをかき分けて登場する。トリッパーは吉井さん(id:THOR)。
  • ヤバチョンガー
     ♀、道化師。いかず後家。矢場独身と書いてヤバチョンガーと呼ぶ。その名前は忌み名であり、口にした者と聞いた者の双方に不運をもたらす呪文として恐れられる。トリッパーは王子(id:emiri)。
  • サムライジャガー
     ♂、荒事屋。両手の日本刀を振りかざし、松の廊下で吉良に斬りかかり続ける頭のおかしいもののふ。彼に吉良認定されて生き延びた者はいない。格闘サプリ『ドラゴン』から「鎧の肌」の奥義を体得している。トリッパーは黒野さん。
  • 蝶野マリアンヌ荘子
     ♀、荒事屋。カウボーイハットにバタフライマスクでエプロン姿の主婦。ママチャリにギターケース(エル・マリアッチ)提げて街を行く、混ぜるな危険警報発令キャラ。トリッパーはアオレンジャーさん(id:aorenjar)。
  • チーム名は「極東トロピカルカウボーイズ」。
  • DDは魚蹴

 東淀川大学の平行植物学教授、レオ=レオ三(れお=れおぞう)が依頼人。研究室から盗まれた貴重な球根を取り戻してほしいという。期限は二日で、それを過ぎると「まずいことになる」。犯人は沙京に逃げ込んだ節があるということで、一行は沙京で情報収集を行なう。
 のっけからヤバチョンガーファンブルする。ハプニング表の結果は犯罪の12、「頼れる協力者のところに行ってみると、彼(彼女)の無惨な姿が……!! 自分の持っている任意のキャラクター1人について、肉体の致命傷表を振ること」。誰にする?という質問に、王子は答える。「……神?
 説明しよう。神とは王子の持ちキャラの一人、God西武You(人名)のことである。「即席の武器:宇宙」とか適当言っていい気になるために作られたキャラであったが、恋愛のハプニング表で鼻がもげ、以来転落の一途を辿る。アブノーマルの趣味のおたから、「女王様の聖なる○○」(うんこ)を食って体力を回復する浅ましい様子は、柳田國男の言うところの、神が零落して妖怪化するプロセスを目の当たりにするかのようであったという。
 王子は神の受けるダメージを求めるために、肉体の致命傷表を振る。結果は3。即死。この日、神が死んだ。
 沙京の屋台街パウパウマーケットで情報収集をしていたヤバチョンガーは、肉屋の店先にぶつ切りになって並ぶ神の肉体を見て仰天する。ハプニング表で犯罪の6を出したサムライジャガーもこの恐ろしい光景を見てしまい、トラウマを1点受ける。錯乱して「神は死んだ、神は梅毒だった」と泣き叫ぶサムライジャガー。密林小人は彼をステガドン(参照)(と言ってるだけで、ルール的には単なる普通乗用車)に乗せてミナミへ移動、SM倶楽部「棗」の性的ヒーリングでトラウマを治療させる。その間にマリアンヌは情報収集を着々と進め、素で20個のディレクトリにリンクを張ったところから、教養イベント表の3で目標のセキュリティランクの全ディレクトリを制覇して情報ゲット。得られた情報は次のとおり。

  • 球根について:盗まれたのは南米から取り寄せられた、ジュランとかマンモスフラワーと呼ばれる古代球根。強力な麻薬の原料になると言う噂も。しかも無害でヘルシー。
  • 犯人について:ライブハウス「グリーンモンス」でそんな話をしていた奴がいたような。

 一行はさっそく武装を整えてグリーンモンスに向かう。店の前にステガドンを横付けして(←フレーバー)入店すると、紫外線灯の下にマリファナの鉢植えがたくさん置かれていて、マリファナTシャツを着た若者たちが踊っているという大変わかりやすい状況。ステージでは若い男が歌っている。「マリファナで癌が治る、水虫も治るオーイェー」 きちんとした根拠を示したリファレンスペーパーを提出しろ、とマリアンヌが教養キャラっぽさを見せ付けるように突っ込むと、男は答える。「そこはピースでラブでポジティブなバイブスでひとつ」
 男の名前はレオ=レオ介(れお=れおすけ)。なんだお前ら、親父の差し金か、と叫んで彼はPPKを抜く。観客が逃げると店の内装があらわになる。床は茶色の石畳。ところどころに緑色の土管が生え、レオ介の頭上には「?」と書かれた黄色いボックス。土管から4体の異様な姿をした植物が這い出てくる。その花弁には鋭い牙がずらりと並んでいる。
 この戦闘中、ファンブルが3回発生する。まず、通りすがりの赤い帽子にヒゲの小男がヤバチョンガーの流れ弾に当たって死に、次にサムライジャガーが勢いあまってマリアンヌをぶった切り、最後に通りすがりの緑の帽子にヒゲの小男がヤバチョンガーの流れ弾に当たって死んだ。それ以外はおおむね順調であった。レオ介はモンスターの「二代目」に道化師とロケロラを混ぜたスペックだったが、「愛してるぜ」を使い損ね、「とりまき」の判定にファンブルしてあわれ蜂の巣。4体のパックンフラワーのデータは「下水ワニ」。サムライジャガーとマリアンヌはあとちょっとで殺せるところだったのに、惜しいことをした。もう2体もいれば確実だったか。
 戦闘終了後、?のボックスを叩いて報酬表の生活6〜7を振り、ハマー(オフロード車)を獲得。店内に球根が見当たらなかったので、緑の土管の一本から地下に降りると、そこは薄暗い小さな部屋だ。試みにサムライジャガーがジャンプしてみると、何もない空中にぶつかる感触があって、盗まれた球根がもりもり出現した。これを確保して地上に戻ると、殺したはずのレオ介の死体がない。ダメ人間の異能「死んだふり」を使われたのだった。まあいいや、依頼人の息子だし、とうっちゃって大学に戻り、レオ三教授に球根を渡して依頼達成。報酬は札束か、育成の趣味のおたからをランダムに一つ。狙ったとおりの目を出して「家庭菜園」を獲得したマリアンヌが印象的であった。
 スピークイージーの結果は以下の通り。

  • 密林小人:気の狂ったショウアップをしながらも買い物で武器を揃えたので闇商人。人数分AKMがなければ最後の戦闘はもっときつかったはず。
  • ヤバチョンガー:ダメ人間すれすれだったが戦闘ではマブかったので殺し屋。やることはクレバーだがダイス目がヤバかった。
  • サムライジャガー:攻撃するたびに松の廊下をやるのはキジルシの資格充分だが、解せないことに殺し屋。
  • マリアンヌ:情報収集での活躍が目ざましく、満場一致で情報屋。ヤバチョンガーと対照的に、ダイス運は素晴らしかった。

 MVPはチームをよく仕切っていた密林小人。名前のインパクトと鮮やかなファンブル連発が心に残るヤバチョンガーは惜しくも次点に留まった。

 園芸の人であるアオレンジャーさんの初サタスペということで、園芸っぽいシナリオを用意したのであった。結果的に楽しんでいただけたようでひと安心。そういえばRemix+になってからDDをやるのは初めてである。多少不安だったが、ベテランプレイヤーばかりだったので非常に心強かった。フォローありがとう。そして次は生かして還さない。まあ、今回は神を間接的に殺したのでよしとしよう。
 余談だが、スピークイージーを見たらシナリオタイトルをみんな「大麻でガンガン治る」と書いててちょっとションボリした。岩助のガンガンルームじゃないんだから。