自己責任についての補完
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「3D6」ともあわせて、自己責任という言葉が攻撃として用いられているという話。確かに頷けるものがあります。逆に言うと3邦人がそろって腹切ったら許されちゃいそうな。切った後で「まことの日本人であった!」「このような立派な者たちがなぜこんなことに!」(平田弘史の読みすぎ)。思うに正論ってのは元来攻撃的なもんなんじゃないですかね。反論しようがないんだから。あんまり使わないほうがよさそうです。
ちなみに、イラクで拉致された3人、特にそのうち2人の思想的背景にはまったく共感できないですが、無事な帰還は望みます*1。また、あれが自作自演であってほしくないとも強く思います。もしこれが本当に(2chなどでしきりに言われているように)自作自演だった場合、日本の受けるダメージはダッカの比ではないのではないかと恐れるからです。ダッカは「日本政府」が弱腰だったということもできるでしょうが、今回評判を落とすのは「日本人」ですよ。そんな自分がダイレクトにダメージを受ける展開はまっぴらごめんです。理由はもう一つあって、今回のケースは日本人が外の世界をより深く理解するための通過儀礼になり得ると思うのですが、もし自作自演だったら、揺り戻しで日本社会全体がすごい閉塞感に襲われそうな気がするんですよね。それはいやだ。
速水さんが日記(4/9)で、「サラヤ・アル・ムジャヒディン」と名乗る無法者どもが最初に非難されるべきなのに、それを指摘している人がほとんどいない。えらく内向きな発想じゃないか、と指摘されてますが、これはもっともな話で、数日経った今でも状況は変わっていないように見えます。今のところサラヤ・アル・ムジャヒディンに関する情報がもっとも集積されているのは(そして日々情報が修正・追加されているのは)、「軍事板常見問題(FAQ in "2ch." Military BBS)」の質問、「3邦人を誘拐した「サラヤ・アルムジャヒディン(Mujahedeen Brigades )」とは?」の項だと思います。2ch由来らしく、それこそ自己責任に重きを置いた意地の悪い(笑)サイトですが、基本的な部分を放置したまま撤退とか自演とか議論するよりは、この辺をチェックするほうが、個人的にはよっぽど面白いし、勉強になっているように感じます。
*1:Many that live deserve death. Some that die deserve life. Can you give it to them, Frodo? Do not be too eager to deal out death in judgement. Even the very wise cannot see all ends.