ベオウルフ

walkeri2007-12-05

 豪華キャストのフルCGアニメーション映画。3D上映の珍しさもあって、すごく楽しんで観てしまった。叙事詩をそのまんま映画にしたらこうなりました、という単純なお話なので(2chで見た「裏山の怪獣とただ戦ってるだけだろ」という感想が的確すぎる)、映像を楽しむつもりで行かないとつらいかも。なので観るなら3D上映がいいです。2Dの上映もあるんだけど、映画館行って3Dで観ないと価値が半減する映画だと思います。
 観た後に原典のあらすじ↓を見直すと、かなり忠実なことに驚かされます。二つのエピソードを繋げるために、脚本上のアレンジは加わっていますが。

 全体的に、蛮人どもが酒飲んでわいわいやってる感がしっかり出ているので、ヴィンランド・サガなど好きな人にはわりとお勧め。ちなみに劇中で喋ってるのは古英語らしいよ。キャラクターではフロースガール王がちゃんと王様っぽい挙動でとてもよかった。でもアンソニー・ホプキンスだったことには全然気づかなかった。アンジェリーナ・ジョリーアンジェリーナ・ジョリーにしか見えなかった。
 グレンデルの造形は、なんとも言い表しようのないもっさりしたもので、これが叙事詩クオリティ? 原典に「恐ろしい怪物」って書いてあるから、恐ろしい怪物っぽいものを出しました!みたいな。ドラゴンはなかなかいい出来で、ちゃんと見せ場を作ってました。
 しかし戦闘シーンがあまりにもゴッド・オブ・ウォーで笑えます。頭の中で画面にCSバトルのアイコンと効果音がかぶりっぱなし。今度この映画もゲーム化されるんですが、これがまたゴッド・オブ・ウォーのわかりやすいパクリゲーで、まあこの映画が原作ならそうなるよなあと納得しました。
 そういえば最近もう一本ベオウルフが映画化されていたらしく、こっちの主演はレオニダスでおなじみのジェラルド・バトラー。タイトルは『Beowulf & Grendel』。むうん。こっちは地味ながら、まっとうに面白そうだ。