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百姓から見た戦国大名

戦国大名と民百姓の力関係は、決して上意下達の一方的なものではなく、もっと流動的でダイナミックなものだったんだぜ、という本。地味ながら面白かった。『雑兵たちの戦場』でハァハァした向きには、戦時の雑兵=平時の百姓がどういう環境に置かれていたか…

萌え×戦国

萌えわかり!戦国時代ビジュアルガイド (萌えわかりシリーズ)作者: 司史生出版社/メーカー: モエールパブリッシング発売日: 2006/09/26メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (8件) を見る うん、なるほど。なるほどなるほど。つまりこれは、…

ホワイトプルームマウンテン (GREYHawk)

分厚いハードカバーで2800円もする、威圧感たっぷりのD&D小説。身構えて読んだら、あれ、あれあれ? ラノベじゃんこれ! なんだよ早く言ってくれよ。 D&D知ってる人なら笑える小ネタも多数ですが(「3メートルの竿なんて何に使うの?」)、それを抜きにして…

ニュートンズ・ウェイク (ハヤカワ文庫SF)

や、面白い面白い。ちょっと前に紹介した『シンギュラリティ・スカイ』同様の、ポスト・シンギュラリティSF、イギリス産。要するにガジェットいっぱいの今風スペースオペラです。チュチェ思想で宇宙開拓!のDKと、作中劇の「ブレジネフ」にわろうた。異星の…

シンギュラリティ・スカイ

各所で話題のシンギュラリティSF。表紙がかっこいいね。シンギュラリティの解説はごまさんに丸投げ(id:Gomadintime:20050529)。アニメ版『涼宮ハルヒの憂鬱』のオープニングで、空から降り注ぐ光に嬉しそうに手を差し伸べるハルヒの画がありますが、あれが…

SAS特殊任務―対革命戦ウィング副指揮官の戦闘記録

著者は『ブラヴォー・ツー・ゼロ』で知られるアンディ・マクナブやクリス・ライアンの上官。何冊も出ている「SASもの」の中でも、一兵士ではなく指揮官の立場から書かれているのが特徴で、たいへん興味深く読みました。 アフガン紛争におけるソ連の敗北のき…

自壊する帝国

大帝国ソ連の崩壊のプロセスを、外交の最前線にいた当事者の目から描いた佐藤優のノンフィクション。巻を措く能わずなのは相変わらずで、すこぶる興味深く読んだ。同じテーマで事前に出た、宮崎学との共著『国家の崩壊』を分析的とするなら、こちらはより主…

隠密部隊ファントム・フォース(上・下)

隠密部隊ファントム・フォース(上) (文春文庫)作者: ジェイムズ・H.コッブ,伏見威蕃出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/03/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (9件) を見る隠密部隊ファントム・フォース(下) (文春文庫)作者: ジェイムズ・H.コッブ,…

さようなら、今まで魚をありがとう

さようなら、いままで魚をありがとう (河出文庫)作者: ダグラス・アダムス,安原和見出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2006/06/03メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 57回この商品を含むブログ (86件) を見る 日本語で読める日をどれだけ待ち望んだこと…

蜂の巣にキス

蜂の巣にキス (創元推理文庫)作者: ジョナサン・キャロル,浅羽莢子出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/04/22メディア: 文庫 クリック: 12回この商品を含むブログ (46件) を見る 久々のジョナサン・キャロル。この人の作品世界は、前半はほんとうに魅力…

驚異の戦争〈古代の生物化学兵器〉

古代の戦争で使われていたBC兵器についてまとめた本。知らないこともたくさんあって面白かった。攻城戦で地下に掘る対敵坑道に熊を放って防衛するとか、心が躍る。毒や火の使い方については特に詳しく書かれていて、ファンタジーRPGなどに応用するとかなり悲…

カラシニコフII

カラシニコフII作者: 松本仁一出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2006/05/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (25件) を見る 大評判になった朝日新聞の連載『カラシニコフ』の続編。中南米と中東をフィールドに、身体を張っ…

フェアリイ・ランド

文庫版で再読しました。舞台はドールと呼ばれる人造人間が道具として使われている近未来のヨーロッパ。知性化されたドールである「フェアリイ」たちの存在が人類社会に混乱をもたらす中、フェアリイという種族の誕生に手を貸すことになった遺伝子ハッカーの…

魔岩伝説

魔岩伝説 (祥伝社文庫)作者: 荒山徹出版社/メーカー: 祥伝社発売日: 2006/04/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 20回この商品を含むブログ (26件) を見る 『十兵衛両断』でわれわれの度肝を抜いた荒山徹、別の作品を読んでみたら、こっちも[これはひどい]…

グリュフォンの卵

グリュフォンの卵 (ハヤカワ文庫SF)作者: マイクルスワンウィック,Michael Swanwick,小川隆出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/04メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブログ (49件) を見る 『大潮の道』が面白かったマイクル・スワンウィックの…

コラプシウム

コラプシウム (ハヤカワ文庫SF)作者: ウィルマッカーシイ,Wil McCarthy,嶋田洋一出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/03メディア: 文庫 クリック: 23回この商品を含むブログ (60件) を見る 表紙が好評なのか不評なのかよくわからないウィル・マッカーシイ…

地球の静止する日

地球の静止する日―SF映画原作傑作選 (創元SF文庫)作者: レイブラッドベリ,シオドアスタージョン,中村融,Ray Brudbery出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/03/23メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (56件) を見る SF映画原作小…

プルトニウム・ブロンド

プルトニウム・ブロンド (ハヤカワ文庫SF)作者: ジョンザコーアー,ローレンスゲイネム,John Zakour,Lawrence Ganem,斉藤伯好出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/02メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (26件) を見る だらーっとしたオフビ…

苦悩のオレンジ、狂気のブルー

COCOさんもえびすさんもお勧めのデイヴィッド・マレルの短編集。期待に違わず面白かったです。 著者自身述懐しているとおり、この本に納められた作品にはすべて、「大切な人を失うことへの恐怖」というテーマが通底しています。「墓から伸びる美しい髪」「慰…

グローリアーナ

『ゴーメンガースト』へのオマージュと銘打たれているのも納得の、ページに白いところがほとんどない重量級のゴシックロマン。豪華絢爛な描写に大瀧啓裕の訳文が拍車をかけてえらいことですが、その割にすんなり読み終わったのは意外でした。すごいエンター…

メルニボネの皇子―永遠の戦士エルリック〈1〉

メルニボネの皇子―永遠の戦士エルリック〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)作者: マイクルムアコック,Michael Moorcock,井辻朱美出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/03/01メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 89回この商品を含むブログ (106件) を見る 新訳版読み終…

オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える

現在ジェフ千葉の監督を務める、イビツァ・オシムの半生を描いた伝記本。面白いから読め読めと王子に投擲されて、サッカー知らないんだけどなあ、とぶつくさ言いつつ読み始めた。したらこれが面白いのなんの、びっくりした。オシムという名もこの本で初めて…

タイタス・クロウの事件簿

クトゥルフ神話に立ち向かうオカルト探偵タイタス・クロウの短編集。 最初の「誕生」が一番達者だったのは、やはり後から書いたものだからでしょうか。雰囲気がすごくよかったです。「妖蛆の王」は魔術師との攻防がスリリングで楽しい。終わった後、やっぱり…

アムネジア

アムネジア作者: 稲生平太郎出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2006/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (40件) を見る 思緒雄二の『顔のない村』や『送り雛は瑠璃色の』などを思い起こさせる小説だった。見えないところで何か…

勇猛なるジャレグ―暗殺者ヴラド・タルトシュ

勇猛なるジャレグ―暗殺者ヴラド・タルトシュ (ハヤカワ文庫FT)作者: スティーヴンブルースト,Steven Brust,金子司出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/01メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (21件) を見る 面白かった。なるほどこれは確か…

キッチン・コンフィデンシャル

キッチン・コンフィデンシャル (新潮文庫)作者: アンソニーボーデイン,Anthony Bourdain,野中邦子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/05メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 26回この商品を含むブログ (41件) を見る 今回のお出かけの道中で読む本を持たず…

Elvissey

月末のウォマック復刊投票50票超えたよ記念まつりが迫っているので、遅まきながら『エルヴィッシー』読み始めた。2031年から1950年代半ばの並行世界アメリカに飛んで、若い頃のエルヴィス・プレスリーを拉致して連れ帰り、レディメイドのカルト・リーダーに…

栄光への飛翔・復讐への航路

秀さんの紹介で興味をそそられた「若き女船長カイの挑戦」シリーズの1・2巻。どう表現したらいいのか、変な小説でした。話は地味で、新奇なギミックもなく、センス・オブ・ワンダーなんて全然感じられないのに、やけに面白いんですよ。 1巻では、オンボロ貿…

ソーサリー周りで何が起こっているのか

id:mallion:20060109:1136743332 http://beoline.nobody.jp/zakki1-2.html同一人物じゃないとは……。いったいなんなんでしょうね。シンクロニシティ? id:nacht_musik:20060111 id:Ayukata:20060111 追記。

廃墟ホテル

廃墟と化したホテルに忍び込んだ都市探検家たちが恐ろしい目にあうスリラー。作者は『ランボー』の原作者として知られるデイヴィッド・マレルです。むかし早川モダンホラーから『トーテム』なんてのも出てましたね。お話はスピーディかつ、意外な展開の連続…